イワナについて、あれこれ調べてみました。 サケ目魚類は、白亜紀(1億4000万年前)に、真骨類と呼ばれるニシン・イワシの先祖型から 進化したようです。 (参考文献:魚類の進化 島本信夫) サケの仲間は現在4種類に分類されていて、その1つがイワナ属となります。 (参考:札幌市豊平川さけ科学館の資料) 現在のイワナが陸封型になったのは、約200万年前の氷河期以降で、その後、それぞれの渓谷で 独自に分化して、亜種が誕生したと言われています。 サケ目・サケ科 │ │−サケ属 降海 産卵 │ │・・・シロザケ(サケ) ◎ 1 │ │・・・ギンザケ ◎ 1 │ │・・・ベニザケ(陸封型:ヒメマス) △ 1 │ │・・・マスノスケ(別名:キングサーモン) ◎ 1 │ │・・・カラフトマス ◎ 1 │ │・・・サクラマス(陸封型:ヤマメ) △ M │ │・・・サツキマス(陸封型:アマゴ) △ M │ │・・・ビワマス × 1 │ │・・・スチールヘッド(陸封型:ニジマス) △ M │ │・・・カットスロートラウト △ M │ │−サルモ属 │ │・・・シートラウト(陸封型:ブラウントラウト) △ M │ │・・・タイセイヨウサケ(陸封型:ランドロックサーモン) △ M │ │−イトウ属 │ │・・・イトウ △ M │ │−イワナ属 │・・・ドリーバーデン(陸封型:オショロコマ) △ M │・・・ホッキョクイワナ △ M │・・・アメマス(陸封型:イワナ) △ M │・・・イワナ × M │・・・カワマス(別名:ブルックトラウト) × M │・・・レイクトラウト × M 降海 ◎:すべて降海 △:一部降海 ×:降海しない 産卵 1:一生に1回 M:一生に2回以上 氷河期が終わり、地球の温暖化にともなって、低水温でしか生息出来ないイワナは、平野部から 気温の低い山間部に徐々に移動し、今のような生息分布に至ったのでしょうか? 別にイワナだけに限ったことじゃないけど、なんだかロマンを感じます。 今では川の最源流部にひっそりとイワナワールドをつくっていますが、地球温暖化や森林伐採、 水質汚染、ダムの建設などで、その生態系は簡単に壊れてしまう危険性をはらんでいます。 釣り人もその一つの要因なんでしょうが、地球規模で考えるとそれほど大したことはないんで しょうね?! サケ・マス類に特有の降海(遡川回遊)という行動は、地球の北半球では高緯度地方に住んでいる 魚に多く見られるそうです。 シロザケ、ギンザケ、カラフトマス、マスノスケは全ての個体が降海、ヤマメ・アマゴなどは 降海するものとしないものがあり、ヤマトイワナ、ゴギに関しては全く降海しない・・・ 傾向的には、湖沼を除くと低緯度側のサケマス類が陸封されるイメージがありますね? ついでに言うと、サケのような遡河回遊魚(一生のほとんどを海で過ごして、産卵のために川を 遡上するもの)は高緯度地方に多く、ウナギのような降川回遊魚(遡川の逆)、アユのような 両側回遊魚(川で孵化した後、海に下って再び川で生活をした後産卵)は低緯度地方に多いみたい なんだけど、種の生産性を多く保つために、それぞれの様式をとってるみたいです。 最近では、標高300m以下のダムを海代わりにして、繁殖を繰り返す陸封アユが居るというから 驚きです! 回遊は、魚にとって環境が合わなくなると引き起こされる行動のようで、人間の場合も旅や 移住という形で生活様式を変えることがありますよね? 今までは、ダムが魚の往来を遮ってしまうと考えていた僕にとって、2017年の夏は目から鱗が 剥がれるような感覚でした。。。