以下は、会社への提言募集でのボクのコメントです! 専務以下、研究開発部門の所長で共有するみたいだけど、これを読んだらひっくり返るかな(笑) ここ数年の我社の業績や、研究開発の実状を勘案して、社員アンケートの結果を見てみると、 全体的に肯定と中立の割合が多すぎると思います。 フィードバックは、現状不満足と言う、問題意識を持った人が、対象となっていると思いますが、 常日頃からそういったことに関心を持たないことが逆に問題なのではないでしょうか? 我社は株主に対して、毎年配当を上げ続けることで、株価自体も上昇を続ける優良株である ことが評価されているし、社員にとっては、ワークライフバランスと、学習教育によるスキルア ップを大事にしている居心地の良い会社で、このまま順調にいけば、最後までこの会社で働 き続けたいと思っていると思われます。 特に自分が頑張らなくても、過去の遺産で会社は業績を維持しているし、使命感をもって努力 している人の多くも、研究が世の中に受け入れられないので、協業や無責任な夢物語を語る ことに終始し、自己満足の範囲を超えていないのが現状です。 それなりに、ブランドに見合った品質の維持管理は出来ていると思いますが、最近では工場 側ではなく、研究の設計段階に端を発する消費者クレームが増加し、研究員が疲弊している ということも聞かれますし、会社全体が成長するまでには至りません。 驚きと感動を与えるような新製品は成りをひそめ、◯◯◯撤退後は特にその傾向が強くなっ たような気がします。 ◯◯◯、◯◯◯◯は我社の本業とはかけ離れた製品で、本来は主力商品に特化する方が、 強みを生かしたモノつくりが出来るはずなので特に問題はありません。 しかし、◯◯◯◯◯◯のコンセプトは消費者に受け入れられず、この頃から消費者のニーズ をよく理解しないまま、不良品を押し付けていたような気がします。 ◯◯を長期間続けていると、◯◯◯な◯◯は◯◯◯、◯◯◯、◯◯剤としての性能は初代 ◯◯◯の発売以前に逆戻りしたような感があります。 確かに、ブランド力だけは大きくなり、突出した性能があるものを作らなくても製品は売れるよ うになりました(◯◯関連の◯◯◯は実感できる効果と価値が認められていると思います)。 それ故に、いつの間にか意識の中で失敗を恐れるあまり、研究と事業部が守りに入っている ことが、大きな問題になっているのではないでしょうか。 社長を始め多くの人間が、更なる繁栄を求めずに、今の状態を維持することを、普段から考 え公言していることや、曖昧な変革の必要性を訴え、コマーシャルに有名人を起用し、キャラ クターのタイアップをしている姿を見ると、ああ・・・会社の社風がいつの間にか変わってしまっ たなと残念な気持ちになることもあります。 利益本位に至った愚かな考えからは、あまり根拠がない成長戦略しか語られず、本来の、会 社の存在意義や、社会にとって、これからやるべき使命を持っていないとも取れそうです。 その中で、社会貢献活動は企業の存在価値を高めていることは承知のことだと思います。 ◯◯◯を語っても、あまり説得力がなく、落合陽一さんは研究員に対する講演で笑いの ネタにしていた程です。聴覚障害をもつ人に向けて、企業が開発したデバイスをコンサートに 応用し、映像を駆使した全く新しい形のオーケストラを開くために、その資金をクラウドファン ディングで集めている人にとって、綺麗に纏めた会社の意義は軽く映るのかもしれません。 松下幸之助の哲学は、社員が第一優先であり、平和と幸福、繁栄を掴み取るため、日々努力 を行い、その結果、消費者、株主に還元してゆくことが本来の会社の姿だと言っており、そう いった考えは、しばらく代々の我社の社長、社員にも受け継がれていました。 最近は、専務を始め、あまり苦労をしていない口先だけの世渡り上手が、おかしなDNAを育 成し会社中に蔓延っていることと、正統な人材は隔離されることが、全ての元凶になっている のではないでしょうか? Insight10に示した下記のようなコメントを見ると、世の中の技術をなめているとしか思えない し、これが我社の研究統括の言葉かと思うと、愕然となり空いた口が塞がりませんでした。 「最後発スタートの必勝パターンは、強いコアを活かして、優れた着眼点で新しい設計図を描 き、一気に追い抜くことです。」 ノアの方舟に乗せるために行われた、クロマグロの一貫養殖や、ホンダジェットの開発には約 30年、PD−1タンパク質の発見からオブジーボの事業化に至るまでに、約20年と言う月日 が費やされています。 全ては、誰にも相手にされない基礎研究であり、担当者と社長、学長などの責任者が、熱い 情熱を絶やさずに、粘り強く研究を継続して成し遂げた成果です。 当の本人は、別人が行っていた◯◯◯の基材研究を、あたかも自分一人でやったように 話をすり替え、その後は絵に描いた餅をアピールすることに終始し、特に新しい事業を切り開 くこともなく、上記のようなことを実践したようなことは聞いたことがありません。 対策案としては、コミュニケーションを活性化するしか方法がありません。 身近にある会話を聞いていて気になるのは上下・役職関係の意識です。 年上の人や職制者の方が、能力に優れていて偉いという考えは完全に否定はしませんが、 本来、新しい価値や創造性を発揮するのは、新人から20年以内の若者です。 日本人は、儒教の影響もあり、学生の頃から年上を立てるような教育を受けてきたと思うので すが、会社の中では本来対等な意識関係をもたなくてはなりません。 グループリーダーや、室長、所長、課長、部長、社長に対しても言えることです。 こういった感覚も、何かのツールを使って、会社として教育していかなければ浸透しないので すが、実際、今の我社は封建社会そのもののような気がします。 次に、同僚や年下の人を尊重することと、優れた行為や結果に対しては、賛辞を与えることで す。これによって、団結力が芽生え、職場の雰囲気が活性化します。 最近では、個人の成果主義が蔓延しているために、良い行いをしても逆に嫉妬するようなこと があったり、社内の表彰などは、稀に賞を受けるべき人物がすり替わったりするし、年に一回 だけなので該当する人が極少数に限られます。 些細なことでも良いので、日頃から会社の同僚を褒め称えることが重要だと思います。 また、組織のあり方としては、全員が金太郎飴のように、画一的で同じことをするよりは、個性 に応じた役割を果たし、それぞれが最高のパフォーマンスを果たすことで有機生命体のよう に、パーツ機能とトータルパフォーマンスに磨きをかけることが必要です。 グローバルに展開される我社の事業所についても、すべてのやり方を統合しようとすると、ど こかに歪が生じたり、地域の特性によって一つのパターンには当てはまらないケースが生ま れてくるような気がします。 好みや関心も、海外、国内ローカルの感情や特性を理解して、それぞれの文化に応じた情報 発信が出来るようになると、イメージだけではなく現実味を帯びた思考がなされ、より良い商 品開発が出来るのではないでしょうか(消費者起点という、本来の◯◯◯の考えにも繋 がってきます)。 生え抜きではないリーダーは、一刻も早く、受け継がれた我社の技術を習得し、メンバーは言 うことを聞いていれば間違いないと思えるような知識と安心感、信頼関係の醸成に努め、出 来ることなら、責任をもってトップダウンで物事を進めること。 担当者は、プロフェッショナルであることを自覚して、昼夜を問わず、自分のテーマについて考 え抜くことで、独自の戦略と世界に通用するような技術を作り出すことです。 今流行の協業のようなことをしていては、責任が分散されていつまで経っても何かを創造する ことは出来ないでしょう。本来の協業は、既にある技術の融合、または組み合わせです。 最終的に、技術は製品に現れますので、決してオーバーではなく、説明資料を超えるような品 質を備え、使って分かる、比べて分かるようなものに仕上げなくてはなりません。 我社の強みであった集団の力が、時間をかけて個人主義に陥ることで、衰退してしまってい るため、元に戻すには根本的な荒療治をしなくてはならないと思いますが、個々の能力は間 違いなく高いレベルにあるので、後は集団をまとめる方法、教育、意識改革をすれば徐々に 活気を取り戻せるのではないでしょうか? 以前、中小企業の寄り集まりだったような業態は、今は冴えない個人商店が合体したようで、 グループや研究室、研究所の意味合いが無く、アーケードが閑散とした商店街のようです。 1人で全ての事をやるのではなく、先代会長の言う「願います」「よしきた」の関係を随所に拡 先代会長 げ、個人主義を廃止して、一つの目標に向かって一致団結することで、信頼関係と余裕が生 まれるものと考えます。 社長、専務も、自身のセンスが無い故に重ねた失敗体験を次に生かし、メンバー全体で成功 に導いたことや、先人、新人、素人、変人にフォローされた経験を持っていると思います。 プロ野球の広島は何故3年連続で首位に立ったか?阪神は有能なルーキー藤波をイップス にさせ、球団はとうとう最下位になってしまったのはどうしてか? こちらの方は、完全に上下関係を重んじる封建社会そのものなので、一概には参考になりま せんが、私の考える答えは、監督の考え、教育、チームつくり、自主性の尊重、起用・配置転 換のやり方が合っていたか、間違っていたかの違いに他ならないと思います。 纏めると、社長以下、特に優れた実績を持たないリーダーは、あまり画一的な管理を行わず、 コミュニケーションの活性化に努め、堅苦しい会議を減らし、くだらない社内報の内容をローカ ルが親しみやすい内容に変更し、もっと和気藹々とした組織つくりに努めること。 常に社業の意義を語り、社員の士気を高めることで、十分に戦略が練られた新規分野へチャ レンジする意識を取戻し、会社の繁栄に繋がるような具体的な方針を語ること。 同僚を尊重し、上下関係の意識をとっぱらい、会社や組織の団結力、義理人情に富んだ温か い家族のような雰囲気を取り戻すことです。