釣り迷人への道なんて、大それた?!タイトルをつけてしまいましたが、職業柄、自然現象と科学を結 びつけて考えるのが単に好きなので、今までに無い視点で、釣りについて論じていきたいと思ってます。 釣りというものは、大昔から生活の一部として発展してきました。 最近は、かなりレジャー化が進んで、老若男女、誰でも一度はやったことがあるかもしれません。 何でも経験がものを言うように、漁師さんは言わずと知れた釣りのトッププロフェッショナルで、代々 の経験を元に独自の仕掛け、漁場、危険の対処法などを持っています。 例えば、難しい釣りの一つとされるカワハギなんかは、地方にもよりますが、アオイソメをカワハギ針 が隠れるように通します。 岩礁の底についている魚なので、針はおもりよりも下に垂れるようにつけて、底をわずかに切るように してアタリを待ちます。 アオイソメなどのエサを食べるときは、あの小さい口で針のついた反対側の端から、ゆっくりと食べて いくみたいですね? このときに出るアタリがコツコツ!コツコツ!という断続的で小さいものです。慣れていない人はこの 前アタリの段階で合わせてしまって失敗するのですが、漁師さんは違います。 前アタリがでると、魚に気付かれないように、ソーっと竿先を上げて、魚を底から離していきます。 そのうちに、魚の方も焦るんでしょうか?? 最後の針が着いたところまで食べ終わると、慌てて底へ戻ろうとするんですけど、このときに今までの コツコツ!ではない一瞬グッー!というようなアタリが出ます。 この時はもう針掛かりしているようです。 同じテンションがかかるようにゆっくり巻き上げてくると・・・ キモがパンパンに膨れ上がったカワハギが釣れるという訳です。 人間でも魚でも、食べるという行動は、本能的なもので、生きていくためには止めることが出来ません。 人間が、朝昼夜と決まった時間に食事をするように、魚にも食事タイムがあり、それを過ぎると食事行 動は起こさないのです。 また、魚は食べ物を嗅覚と視覚で識別しています。 植物・動物・バクテリアが、香りや匂いを通してコミュニケーションや食物連鎖、共生をしていること などを理解できれば、釣りはより面白く、奥の深い遊びと思えることでしょう?